河野太郎のブログより。>続 震災がれき
「現地処理すれば雇用にもなる」は、なにも、がれき関連の雇用だけを指すのではありません。今回の広域処理の問題点の一つは、莫大な輸送費の無駄遣いです。1000億円にものぼる輸送費を節約すれば、現地に「がれき関連以外の」雇用を生むことができます。河野太郎は、がれき処理以外の被災地支援をやめろとでも言うのでしょうか?
そして、被災地の木材などを簡単に「リサイクル」などと考えているようですが、これも問題があります。より高い汚染地域の堤防などの資材として使うなど使途を限定するならともかく、無制限に使用してよい資材としてリサイクルするなら、それは汚染の拡散に他なりません。そもそも「1kgあたり100bq以下はリサイクルしてよい」は、放射性廃棄物の処理コストを減らしたいがために安全性を軽視して定めた基準でしかありませんので。これを機会に再検討していただきたいくらいです。
「放射能はもとより、粉塵、アスベスト、有毒ガス、水質汚濁などの検査は地元できちんと行われているが、規制値を大きく下回っている」などと言っているが、これが本当なら、ちゃんと環境省自身の口から説明させてほしい。環境省はそんなこと言ってません。「検査はできていません」と言っていたし、放射能以外の調査については、環境省は「目視で確認する」と言っていた。「水銀やヒ素が目視できるんですか」と聞いたら困ってたよ。実際、ヒ素だって基準値を上回ったところが宮城県を中心に数十カ所も見つかっています。
そして、次。これがさらに酷いと思いました。>震災がれき 岩手県陸前高田市と岩泉町の場合
岩泉町は、
『がれき処理を岩手県に委託している。一次選別は町内で、二次選別は宮古市で実施中。宮古市からは東京にも広域処理を引き受けてもらっている。
町内でできるものは町内でやるが、できないものは町外、県外の協力も頂いて、広域処理をお願いしたいというのが、町長を含めた町の立場。』
陸前高田市は、
『当初、太平洋セメントも被災し、焼却ができなかったので、焼却炉を建設するというプランもあったが、太平洋セメントが復旧し、焼却ができるようになったので、大船渡とともに太平洋セメントで処理をしている。
広域処理については、引き受けていただける自治体があれば検討していきたい。
選別で人も雇っているが、だらだらとそれを続けるよりも、がれき処理を終えて本格復興を目指したい。』
これを解説抜きに貼り付けて記事にしているあたりは、なかなか最低だなと思いました。
今回、環境省は地元での自主的な努力の邪魔ばかりしてきたことは、陸前高田その他の自治体首長の声、有志による現地への電話取材などからも明らかだと考えています。
で、現時点では、上記のような陸前高田市長らによる広域処理への賛同表明があったりするのでややこしいのですが、まぁ、これは理解できます。現地ではがれき処理は問題なのは確かですから、広域処理そのものの是非よりも、自治体が処理を進める際に取りうる選択肢を広く持つことになります。そうなれば、環境省にへそを曲げられて、現地処理も広域処理もできなくなる危険性をかんがえれば、広域処理を全否定するようなことは口にできないのは当然です。
河野太郎は、立場の弱い現地首長にこんな踏み絵踏ませるようなことをするのではなく、環境省が広域処理ありきで自力処理の妨害まがいのことをしてきたことをきちんと問題にすべきです。現地処理については、未だに環境省はまともにバックアップする気がありません。そろそろいい加減にしてほしい。さしあたり、「2014年3月以後も最後まで災害廃棄物は国で面倒見ます、2014年を目標にするかは自治体裁量で考えてください」とでも環境大臣が宣言するなら話は別ですが。
また、今月19日の大阪府貝塚市での住民説明会で、がれき特措法の審議が拙速だったのではないかというやり取りの中で、「災害廃棄物安全評価検討会の議事録がない状態で特措法の国会審議をさせました」と環境省の役人は認めてました。僕は、国会議員より、こういう状態で審議させた環境省にこそ責任があると考えています。しかし、それにしたって河野太郎は、少しは拙速審議に加担したことへの責任を感じたらどうかと思います。
仮に広域処理を受け入れるにせよ、まずは、環境省の議事録隠しをはじめとする不誠実や国会での拙速審議をきちんと反省して謝罪してからやることでしょう。こんな小さなことも正せないなら、原発を止めるなんて大仕事はとても無理でしょうね。
2012.04.27